情報提供

落雷事故を防ぐために(2024年4月3日)

1996年に起きた大阪府高槻市における高校サッカー大会における落雷事故以降、スポーツ界では落雷事故への関心が高まり、「雷鳴が聞こえた場合など落雷が想定される場合には活動を中止し、安全な場所に避難をする。」ということが基本的事項であると認知されています。

そのようななか、本日、スポーツ活動中の落雷事故に関する報道に接しているところです。
被害に遭われました方々には心よりお見舞い申し上げます。

今回のケースについて、どのような状況下で活動を行っていたのか、防ぐことができたのかは明らかではありませんが、落雷事故の防止に向け、屋外でのスポーツ活動に携わる指導者、大会運営者の皆様に今一度基本的な事項を再認識していただきたいと思います。

雷鳴が聞こえたら

雷鳴が聞こえた場合には、雷雲が近づいている証拠であり、例え遠くで聞こえていても「いつ落雷が起きてもおかしくない状況」であることを理解してください。

また、昨今は気象アプリなどで情報を簡単に取得することができます。雷鳴が聞こえていなくても雷が近づいている状況を認識したのであれば、活動を中断し、安全な場所に避難を行うことが重要です。

雷は夏に多く発生しますが、昨今は日本も温暖化が進み、ゲリラ豪雨という言葉があるように気象状況が突然変化することがあります。また、夏だけではなく、冬にも発生しますので1年を通じて気を付ける必要があります。

予め全体で決めて共通認識を

大会を行っていたり、試合を行っている場合、「今後のスケジュールに影響が出るのでできるだけ継続したい。」、「既に試合が終盤にさしかかっているので、試合終了まで粘りたい。」、「私が中止を判断しても良いのだろうか。」といった気持ちが現場で対応している役員や指導者には出がちです。

雷に関していえば、現場での裁量を認めるのではなく、当初から「雷鳴が聞こえた場合には直ちに中断をし、安全な場所に避難させる。」ことを決めておき、そのとおり実行することが大切です。
特に不安定な気象下で活動を行う場合には、活動前のミーティングにて全員がその意識を共有し、共通理解のもとでスムーズに対応ができる体制を予め構築しておきましょう。

落雷事故における法的な責任

過去の判例から、状況により異なるものの、落雷に関しては予見可能性、回避可能性、回避義務の有無の観点から、大会や活動の主催者・主催団体、さらにはその場にて対応を行っていた役員・指導者個人に対して法的な賠償責任が生じる可能性が高いと考えます。

雷鳴が聞こえた場合には、「その場に落雷があってもおかしくない。」という状況であることは周知の事実であり、活動を中止して安全な場所に避難をさせる義務を負っていることを、役員、指導者の皆様は再認識してください。

万が一落雷事故が発生してしまった場合の被害補償

既述のとおり、まずは落雷事故が発生しないように対応を行うことが第一です。

しかしながら、相手は気象変化であり、突然に状況が変わることもあります。また、対応が不十分なことにより落雷事故が発生してしまうこともあります。
落雷事故は一般的なケガとは異なり、被害に遭われた方はもちろん、その場で対応していた役員・指導者の方も大きな代償を背負うことがあります。

当協会が運営する「スポーツ安全保険」は落雷におけるケガ、死亡、後遺障害の補償はもちろんのこと、落雷事故での法的な賠償責任も補償が可能となっております。
団体活動中の万が一の事故に備え、「スポーツ安全保険」にご加入をいただきますようお願いします。