2024年の4月、宮崎市内のグラウンドで落雷事故が発生し、サッカー部員が搬送されたニュースが記憶に残っている人も多いでしょう。その後、文部科学省は「落雷の兆候があれば活動中止を」と全国に注意を呼びかけています。今回はスポーツ中に起こる可能性がある落雷による事故について、最低限押さえておきたいポイントをご紹介します。チームやご家庭で、確認し合っていざという時に困らないようにしてください。
雷の時、いつ避難すればいい?
雷の時、どこに避難すればいい?
実は、閉め切った建物の中でないと、落雷のリスクがあるのです。落雷時に木のそばで雨宿りしてはいけないと言われるのと同じように、建物に雷が落ちた場合、近くにいる人に落雷の電流が飛び移る(側撃雷といいます)ことがあるからです。閉め切った建物の中にいれば、その心配はありません。
理想的な避難場所は、閉め切ることの可能な鉄筋などの広い建物の中です。ない場合には、同じく閉め切ることのできる金属製のバスや車などの中に避難するようにしましょう。
もし雷に当たってしまったら?
万が一雷に当たってしまったら、まず救急車を要請してください。
救急対応の基本はまず二次被害を防ぐことです。ご自身の安全を確保した上で、雷に当たった人に近づきます。落雷を受けた人に触るのは危険と思うかもしれませんが、被害者の体は電気を帯びていないので触っても危険性はありません。
雷に当たった場合には、心肺停止や意識障害、そしてやけどや鼓膜が破れたりします。まずいつもの緊急対応と同じように、意識や呼吸をチェックします。異常がある場合には突然心停止の緊急対応として、胸骨圧迫を行いAEDを使用してください。
いつ活動を再開していい?
スポーツ中の落雷事故を防ぐために
避難するタイミング、避難場所、再開するタイミングが、落雷事故を防ぐための重要なポイントです。
スポーツを始める前に雷注意報が出ている時には、練習や試合を中止することも視野に入れ、実際にどこで落雷や雷の発生が高まるかの情報を収集しましょう。そして、事前に危険が予測される場合には、危険を回避するための行動を関係者間であらかじめ共有しておき、躊躇なく安全な場所への避難行動に移れるようにしておきましょう。
スポーツ中の落雷事故の原因
- 避難せずにスポーツを継続していた/避難するタイミングが遅れてしまった
- 避難はしたけど、危険な避難場所に避難してしまった
- まだ落雷の可能性があるタイミングで再開してしまった
スポーツ中の落雷事故を防ぐためにはまず「知る」ことが大切です。あなたが「知る」ことも大切ですが、スポーツ現場にいる皆さん全員が正しい知識を共有することが重要です。
スポーツや運動時の落雷事故を防ぐために
- 「ピカッ!ゴロッ!」はすぐに避難
- 安全な避難場所は、閉め切ることの可能な鉄筋などの建物の中
- 最後の雷から何もない状態が30分経過してから再開
この3つのポイントを最低限、押さえておきましょう。
スポーツ安全保険は落雷による負傷についても補償の対象となります。
落雷事故防止に心がけて活動するなかでも、万が一に備えてスポーツ安全保険に加入をしましょう。