スポーツ活動は、体育館やグラウンドなどスポーツ施設での活動だけでなく、遠征先や合宿などではアウトドア(自然環境)での活動も含まれます。アウトドアでは、日常的な活動とは違ったリスクが潜んでいます。普段の練習場所ではない場所であっても、救急時に連絡する周辺の医療機関、救急車の到着にかかる時間は調べておきましょう。
命に関わる「水辺の溺水」と「落雷」事故を未然に防ぐには
溺水事故や落雷事故を防ぐには、事前の情報収集が欠かせません。
水辺の活動では、過去の事故事例や川の上流部の天候やダムの放流情報などを必ず確認するようにしましょう。活動場所の水流が穏やかで水かさが無かったとしても、これらが原因で状況が突然に変わることがあるので、特に注意しましょう。
幼児、児童とともに川や海で遊ぶときには、ライフジャケットを着用させ、万が一に備えて監視する大人が必ずつくようにしましょう。乳幼児であると水かさが3㎝もあれば溺れる可能性があります。
落雷事故については、事前に安全な避難場所を確保しておくのが鉄則です。「ピカッ!ゴロッ!」に気付いたらすぐにスポーツ活動を中断し、避難してください。

しかし、自然の中での活動の場合、常に安全な避難場所が見つかるわけではありません。落雷の危険性を予想するアプリなどを使用して気象情報を確認し、先手の避難が必要になります。また、参加する全員が安全な避難場所と危険な避難場所との違い、避難場所へ移動する際の注意点を事前に理解しておくことが大切です。
万が一、避難が間に合わなかった場合は、身体を低くし、耳を手で塞ぎ、地面との接地部分を最小限にし、両足の踵を合わせます。踵を合わせることで、地面から伝わった電流が心臓を通らず、足から足へ抜けるようにします。この姿勢もすぐにできるように練習しておきましょう。
スズメバチは「威嚇行動」に注意!
ハチが空中で停止し、「カチカチ」と音を発してきたら、あなたはハチの巣のテリトリー内に知らぬ間に侵入しています。ハチのこの行動は威嚇行動なので、静かに身体を低くして、来た道をゆっくり戻りながら遠ざかってください。このハチの威嚇行動を手で払ったり、騒いだりしてさらに刺激を与えると、ハチはくの字に身体を曲げた状態で針を向けて襲いかかってきます。
もしハチに刺されてしまったら、まずは刺された場所から少なくとも20〜30mは離れて避難します。スズメバチの毒は水に溶けやすいため、水筒の水や水道の流水で傷口をよく洗い流し、傷口周辺を指で強く摘んで毒を絞り出しましょう。針が残っている場合には、ピンセットなどで取り除きます。毒を絞り出すのに口では吸わないようにしてください。口内に傷がある場合、そこから毒が入る可能性があるからです。
もし氷や濡れタオルなどがあれば、刺された場所を冷やすようにしてください。
スズメバチに刺された場合には、症状が軽くても医療機関を受診するようにしてください。過去にハチに刺されたことがある人やアレルギー反応が起きやすい人は、刺されてから数分から数十分経ってアナフィラキシーという、即座の医療機関での受診が必要な症状が出る場合があります。
アナフィラキシーの症状には、息苦しさなどの呼吸器症状、血圧低下やめまい、冷や汗、意識障害などの循環器症状、じんましんや嘔吐、下痢などの消化器症状があります。
毒ヘビ(マムシ・ヤマカガシ・ハブ)の攻撃範囲は約50cm
毒ヘビの攻撃範囲は、約50cm以内と言われています。毒ヘビは本来臆病で、こちらから刺激しなければ、普段は襲ってくることはまれですが、足元の死角などには注意が必要です。
マムシは北海道から九州、ヤマカガシは本州・四国・九州、ハブは沖縄と奄美諸島に生息しています。毒ヘビによって、噛まれた後の症状や、症状の出る時間に異なる特徴があります。
マムシは噛まれた直後に激痛があります。ハブは噛まれてから10分前後で腫れてから、強い痛みが起こります。一方、ヤマカガシは噛まれても痛みがなく症状が出るまでに数時間から1日かかる場合があります。

すぐに救急車が呼べる場所で噛まれた場合には救急車を要請しますが、呼べない場所で噛まれてしまった場合は、毒が全身に回らないように心臓に近い部位に止血帯を巻きます。止血帯は、血流を止めすぎないよう、軽く圧迫する程度が望ましいとされています。ポイズンリムーバーがあれば、それを使って毒を吸い出します。ポイズンリムーバーがない場合、強く摘んで毒を絞り出してください。口で吸い出すのは避けましょう。蜂や毒ヘビなどの生息地で活動を行う場合には、救急箱にポイズンリムーバーを入れておくことをお勧めします。
また、走ると毒の回りが速くなってしまうため、慌てずに歩くことが推奨されます。
ヤマカガシは噛む以外に毒液を飛ばすことがあります。毒液が目に入ると失明する危険性があります。目に入った場合には水で洗い流して眼科を受診してください。
「植物かぶれ」は肌の露出を抑えて対策
皮膚へのかぶれを起こす植物としてはウルシが有名ですが、ほかにも銀杏、イチジク、ハゼノキ、ヤマハゼなどがあります。
かぶれたときには、かきむしらないで患部を水で洗い流すようにしてください。かきむしると他の部位にも広がってしまいます。
植物かぶれの予防策は、皮膚を覆うような長袖、長ズボン、帽子、軍手などの着用を徹底し、肌の露出を最小限にします。また、活動する場所にウルシの木がある場合には事前に回避ルートを探したり、回避できないなら、絶対に触らないようにする必要があります。ウルシの場合には、木の下を歩いただけでかぶれてしまう人もいます。