
「スポーツ現場に救急箱が必要なのは分かるけど、具体的にどんなものを用意しておけばいいのか分からない…。」
こんな悩みを持ったコーチや保護者の方は実は多くいらっしゃいます。
今回はスポーツ中に起こる怪我の応急手当に必要な救急箱の中身について、擦り傷や鼻血、捻挫や骨折などの怪我、熱中症など体調を崩してしまったときなどを想定して最低限押さえておきたいポイントと、具体的なリスト(記事末尾に記載)をご紹介します。
「何を用意するか」ではなく「どんな応急手当をするか」を考える
スポーツ現場でチームとして用意する物品は、競技の種類や選手の人数、アスレティックトレーナーなどの専門家の帯同の有無などによって変わってきます。チームとして何を用意するかではなく、チームとしてスポーツ現場でどんな応急手当をする必要があるかを考えることによって、具体的に必要なものが明らかになります。
これまでどのような怪我が起こり、どんな応急手当をしたのか、応急手当で何が困ったかを振り返ってみてください。
また、「何を用意するか」で救急箱の中身を揃えると、具体的な使い方が分からないどころか、いざというときに使えず、必要なものを取り出すときに邪魔になってしまうことさえあります。今回は、専門家の帯同がない地域のクラブチームを想定して進めていきましょう。
まず想定しておきたい「緊急事態」のときのこと
まず想定しておかなければならないのが、緊急事態が起こってしまったときの対処です。緊急事態が起こったときのために、迅速に医療機関へ搬送するために必要な情報をまとめているのがエマージェンシーアクションプラン(EAP:緊急時対応計画)です。(サンプル表示)

以下記事でもEAPの詳細を説明しています。ご覧ください。
擦り傷や鼻血などの応急手当に必要なもの

捻挫や打撲などの応急手当に必要なもの

包帯を適切な長さにカットするためにはハサミが必要です。ハサミは他の応急処置にも使用しますので必需品です。
脱臼や骨折を疑うような大きな変形がある場合の応急手当

歯が折れた・抜けたときの応急手当
体調を崩したときの応急手当
選手個々のニーズに合わせたもの
脳振盪の疑いがあるときのために

救急箱の中身に迷わないために
救急箱の中に用意していても、誰もその使い方を知らなければ意味がありませんので、下記のチェックリストを参考に揃えて、本記事も一緒に共有してみてください。
そして、EAPや脳振盪を疑ったときのツールであるCRTは、あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、スポーツ現場にいるコーチや保護者の方には必ず救急箱に入れておいてほしいものです。
救急箱の中身チェックリスト
用意すべきもの
- EAP(エマージェンシーアクションプラン)
- CRT(脳振盪を疑ったときのツール)
- メモ帳
- 筆記用具
擦り傷や鼻血など
- 使い捨て手袋
- ガーゼ
- ティッシュ
- 綿棒
- 絆創膏
- 伸縮性のテーピング
- 防水フィルム*
捻挫や打撲など
- 氷
- ビニール袋/氷嚢
- 弾性包帯
- ハサミ
脱臼や骨折など
- 固定具(段ボール/雑誌)
- 三角巾
- 非伸縮性のテーピング
- 伸縮性のテーピング
歯が抜けたとき
- ティースキーパー*
体調を崩したとき
- 体温計
- 保温シート
- 経口補水液
- 塩分タブレット
- 吐瀉物処理セット
その他
- 爪切り*
- ピンセット*
- 手鏡*
- コンタクトレンズ*
- 使い捨て目薬*
- 日焼け止め*
*必須ではないが、救急箱にあると便利なもの
データ版チェックリスト ダウンロードリンク
確認中にチェックが入れられるよう、データ版のチェックリストを作成しました。是非ご活用ください。

救急箱とともに持ち合わせておかなければならないもの。
それは「安心」です。
スポーツ安全保険にも加入を行い、万が一の事故にも備えて安心して活動を行いましょう。