スポーツ外傷・障害予防-バスケットボール編
外傷・障害の特徴
年齢別の外傷発生頻度
発生件数について、男女とも小学校高学年(10~12歳)が最も多く、男子が年間4,304件、女子が5,166件発生していました。次いで、小学校低学年(7~9歳)において、男子が1,167件、女子が1,079件でした。
発生頻度について、バスケットボール全体で10万人当たり3,954件発生しており、これは他競技(全体傾向)の約2倍に相当します。
男女とも共通的に小学校高学年(10~12歳 男子5,696件/10万人、女子7,829件/10万人)の発生頻度が高い傾向があり、女子ではこの年代の発生頻度が最も高くなっています。男子では大学生(19~22歳 5,829件/10万人)が最も高く、女性においては大学生~50代の年代の広い年齢の範囲で高い発生頻度が見られました。
部位と外傷の種類
手・指への受傷(主に骨折、突き指)が最も多く全体の30%を占め、次いで、足関節が全体の約20%(主に捻挫)、膝関節が約10%(主に捻挫)となっています。
なお、脳振盪を含む頭頚部の外傷は、他競技よりも低い割合ながら約7%発生していました。
年齢別の部位と外傷の種類
部位別の割合について、手・指と足関節における外傷はいずれの年代においても高い割合が見られました。また、未就学児(0~6歳)は頭頚部の割合が高く、高校生の年代から膝関節の傷害が増加するという特徴が見られました。
足関節の捻挫について、10代における発生件数が全体の70%以上を占めます。特に小学校高学年における発生件数・頻度が高いことから、同年代において足関節捻挫の初回受傷が多いと推測されます。また、バスケットボールにおける重症事例の典型例として、膝関節の靱帯損傷・断裂は10~20代の年代で全体の62%を占めました。
バスケットボールの特徴
- 外傷の発生件数は、男女とも小学校高学年が最も多い
- 他の競技の平均に比べ、傷害発生頻度は約2倍
- 男女とも小学校高学年が高い傾向にある
- 手・指の骨折や突き指、足関節捻挫や靱帯損傷が主な傷害
- すべての年代:手・指や足関節、高校生~:膝関節
- 10代(特に小学校高学年):足関節捻挫、大学生:膝関節の靱帯損傷・断裂
バスケットボール競技目次
- バスケットボール競技の特徴
- 外傷・障害の特徴
- 発生事例の解説
- 外傷・障害予防プログラム