スポーツ外傷・障害予防-バスケットボール編
外傷・障害予防プログラム
目的 | 正しい身体の使い方を覚えて、パフォーマンスを向上させるとともに、怪我のリスクを最小限に抑える。 |
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対象 | 小学生・中学生・高校生 |
内容 | 下記の3つの項目を実施 |
方法 | 毎日、継続的に実施することが望ましい。補強トレーニングについては、基礎メニューは毎回、それ以外は各項目から2~3種目選んで実施。 |
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Part 1 確認事項
姿勢の確認
- お腹に力を入れて、胸を張る
- 腰は反りすぎない
柔軟性の確認
Part 2 基本動作
深部腹筋(トレーニング目安5回呼吸×5回)
- お腹をへこませ、骨盤の内側を固める
- 呼吸をしても力が抜けないように練習
ヒールレイズ(トレーニング目安10回×2セット)
- 小指側に重心を乗せないように注意
- かかとをまっすぐ上に上げることを意識
立位もも上げ(トレーニング目安左右10回×1セット)
- 深部腹筋に力を入れ、胸を張る
- 身体のラインを地面と垂直に保つ
- 軸足のお尻にも力を入れる
- 背中が丸まらないように注意
両足スクワット(パワーポジション)(トレーニング目安10回×2セット)
- 深部腹筋に力を入れ、胸を張る
- 膝とつま先の向きをそろえる
- 股関節を十分に曲げる
- お尻の筋肉を使えているか確認しよう
- ×膝が内側に入っている(①)
- ×つま先が外側を向いている(②)
- ×股関節が曲がっていない(③)
- ×背中が丸まっている(④)
スプリット/ シングルスクワット(トレーニング目安左右10回×1セット)
- 深部腹筋に力を入れて胸を張る
- 膝とつま先の向きをそろえ、骨盤は常に床と平行に保つ
- 膝と股関節を曲げてキープした後、前方向に立ち上がる
- ×骨盤のラインが斜め(①)
- ×膝が内側に入っている(②)
- ×股関節が曲がっていない(③)
- ×背中が丸まっている(④)
- ×もも前しか疲れない
サイドランジ(トレーニング目安左右10回×1セット)
- 深部腹筋に力を入れ、胸を張る
- 膝とつま先の向きをそろえる
- 股関節を十分に曲げる
- 上半身の反動は使わずに、足の力で地面を蹴って戻る
- お尻の筋肉が疲れる
- ×膝が内側に入っている(①)
- ×股関節が曲がっていない(②)
- ×背中が丸まっている
- ×もも前しか疲れない
前方・サイドホップ(トレーニング目安左右10回×1セット)
- 深部腹筋に力を入れ、胸を張る
- 膝とつま先の向きをそろえる
- 股関節を十分に曲げる
- 骨盤が動かないように固定する(骨盤は常に床と平行に保つ)
スクワットジャンプ(トレーニング目安10回×1セット)
- パワーポジションからジャンプを行う
- 常に深部腹筋に力を入れ、空中でも体幹の力が抜けないようにする
- 着地のスタンスは一定に保つ(広すぎたり狭すぎたりしない)
- 跳ぶ瞬間や着地で膝が内側に入ったり、後方重心になったりしないように注意しよう
Part 3 コンタクト
その場コンタクト(トレーニング目安左右10秒キープ×1セット)
- 2人組になり、パワーポジションをとる
- 胸を張り、深部腹筋に力を入れたまま押し合う
- パワーポジションをキープし、押されてもぐらつかないようにしよう
- 腕だけを使うのではなく、身体全体を使って押し合うようにしよう
コンタクトジャンプ(トレーニング目安左右5回×1セット)
- 2人組になってジャンプし、空中でコンタクトする
- 着地は股関節を十分に曲げ、しっかりとパワーポジションをとる
- 着地で膝が内側に入ったり、後方重心になったりしないように注意しよう
- 常に深部腹筋に力を入れたまま行い、空中でのコンタクトや着地でバランスを崩さないようにしよう
Part 4 スライド
スライド(トレーニング目安左右5歩×3往復)
- 深部腹筋に力を入れたまま、胸を張る
- パワーポジションから進行方向の後ろ足で押して進む(①)
- 進行方向の足のつま先が開かないようにする(②)
- ウエストラインの高さとスタンスは常に一定にする
- 重心は常に自分の中心におく
ターン(トレーニング目安左右5往復×1セット)
- 深部腹筋に力を入れたまま、胸を張る
- パワーポジションを保ったまま、かかとを少しだけ浮かせ、膝とつま先の向きをそろえてターンする
- 足の外側やかかとに重心をのせたターンはしない
- 重心は常に自分の中心におき、ウエストラインの高さを一定にする
最初は90°ターンから練習し、安定してきたら180°ターンにチャレンジ!
Part 5 ストップ
ストップ動作①②
- ストップ動作①:ジョグから止まる
- ストップ動作②:ジョグから方向転換して止まる
- 最後の1歩で止まるのではなく、その1歩前の足でしっかりスピードを落とすことを意識しよう ※ 股関節を曲げて減速する
- 減速した後は、安全なパワーポジションで止まろう
バスケットボールでは、ストップ動作で怪我が多く発生しています。『安全に』、『きちんと』止まれる正しいストップ動作を身につけよう。
バスケットボール競技目次
- バスケットボール競技の特徴
- 外傷・障害の特徴
- 発生事例の解説
- 外傷・障害予防プログラム
(公財)日本バスケットボール協会(JBA)でも、指導者に向けた各種講習動画を公開されていますので、参考にしてください。