スポーツ外傷・障害予防-バスケットボール編

バスケットボール競技の特徴

(公財)日本バスケットボール協会の競技者登録者数は約56万人、その内約51万人(91%)を小学生・中学生・高校生が占めています(2022年度)。国内ではBリーグ、Wリーグ、海外ではNBAやセリエAなど多くの連盟があり、世界的にも人気が高いスポーツです。

バスケットボールは縦28m×横15mのコートで1ピリオド10分×4、トータル40分間、敵味方合わせて10人の選手が攻防を繰り返し得点を競うスポーツです。激しいトランジションと共にゴール付近での身体を張ってのポジション争い、ディフェンスを素早くかわし、シュートを打つための急激なストップやジャンプ、リバウンド争い、ルーズボール争いなど様々なシーンが繰り返されています。

バスケットボールで起こる怪我は、これまでの調査・研究によると練習よりも試合での発生率が高く、足関節捻挫や疲労骨折、アキレス腱炎、膝の靭帯損傷、半月板損傷、ジャンパー膝、腰痛などの下肢の怪我が多い(全体の70%以上※)と報告されています。特に中学生・高校生以上では足関節・膝関節の怪我が多く、中でも女子選手の膝の怪我の発生頻度が高いため、その予防が重要視されています。

怪我を予防するためには、トリプルスレット(三つの脅威)と呼ばれる構えの姿勢(パワーポジション)がとれること、バランスを崩すことなく安定したストップできることが重要なポイントとなります。

バスケットボールは接触も多く、怪我の起こりやすい競技と言えますが、必要な筋力を強化し、ムリ・ムダのない身体の使い方を身につけることで、怪我の発生を最小限に抑えることができます。ジュニア世代から身体の土台作りをしっかり行い、怪我の予防とパフォーマンスの向上に努めましょう。

※スポーツ安全保険では疲労骨折、オーバーユースに伴う関節障害などは補償対象外となっているため、当割合は他の調査・研究を参考としています。

バスケットボール競技目次

<著者>

Re.en鍼灸マッサージ院

津田 清美

<著者>

株式会社 FOCS

伊藤 ちぐさ

他競技