スポーツ外傷・障害予防-水泳編

発生事例の解説

腰部障害

腰部障害では、椎間板障害や成長期であれば腰椎分離症が多いとされています。大学生競泳選手の約7割は、腰椎椎間板変性を有しており、この割合は他の競技と比較して多いことが明らかになっています。

  • 椎間板が変性した水泳選手のMR画像
  • スタートやターン動作で腰部に負担が加わりやすい

椎間板の変性は、重症化すると椎間板ヘルニアに移行することが多く、椎間板ヘルニアは疼痛だけでなく神経症状による筋力低下を引き起こし、パフォーマンスに悪影響を及ぼすため、その予防が非常に重要となります。予防には、モーターコントロール機能を高めるエクササイズの実施が有効です。

スイマーズショルダー

スイマーズショルダーは、肩関節インピンジメント症候群や腱板損傷などの総称で、繰り返し肩を回す動作によって肩関節に負荷が加わることで発生します。

予防には、胸郭や股関節の柔軟性を高めること、肩甲骨周囲筋の強化を行うこと、体幹と上肢との協調性を保つことが重要となります。

水泳競技目次

<著者>

新潟医療福祉大学 健康科学部 健康スポーツ学科 講師

日本水泳連盟 医事委員

松浦 由生子

<監修>

高島平中央総合病院 スポーツメディカルセンター長

日本水泳連盟 医事委員長

元島 清香

<監修>

早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授

日本水泳連盟 医事委員

金岡 恒治

他競技