スポーツ外傷・障害予防-バレーボール編
バレーボール競技の特徴
バレーボール競技とは
-

図1:バレーボールの試合の様子
バレーボール競技は6人制(25点ラリーポイント制、ポジションは回転する。)と9人制(21点3セット制、ポジションは固定)があります。9~10m四方と若干コート幅に差はありますが、基本的にはネットを挟んで相手と直接の身体的コンタクトはなく対峙する、上肢・手指(足)を使ってボールを床に落とさないで、3回以内で相手に返す競技です。
床に落ちたりコートに入らなかった場合がポイントとなります。時間制限はありませんが、1試合はおおよそ1時間以内で終了します。
バレーボールの外傷・障害の特徴
スポーツ安全保険のデータによるバレーボール競技の外傷発生頻度は、10万人当たり4,086名となっています。
これは、相手と体が直接接触しない“非接触型”の球技種目のなかでは最も発生頻度が高く、“接触”のあるバスケットボールと同レベルとなっています。
これに加えてスポーツ安全保険では補償対象とはならない、オーバーユース(練習のやりすぎ)が原因での障害が多いのがバレーボールの特徴です。オーバーユースでは痛みを抱えながらもプレー続行可能な場合が多いので、練習の休止時期の判断が難しいです。
また障害部位は発育期、トップレベル選手共に膝関節障害が多く、大半はジャンプしすぎによる膝痛(ジャンパー膝)であるのが特徴です。
急な怪我ではなく、運動しすぎ(オーバーユース)が原因であるため、指導者は障害の内容を理解して練習時間を調整することが肝要です。

外傷・障害の頻度:バレーボール障害の頻度は第1位が膝関節で24.0%(ジャンパー膝や半月板損傷が多い)、2位は足関節障害(主に繰り返す捻挫)で13.4%、3位が腰背部痛(筋膜性腰痛、ヘルニア、分離症など)12.3%、4位は肩痛、肩関節障害(上腕二頭筋腱炎、インピンジメント症候群、棘下筋委縮)で9.0%、5位には手指の障害(剥離骨折、脱臼、靱帯損傷)で8.0%となっています。
上位5つで全体の約7割を占め、バレーボールの5大障害といえます。(掲載数値はバレーボールトップレベル選手における障害順位 著者調べ)
"体育授業等"においては対象が一般生徒のため、専門的に行う選手と異なり"指の突発的怪我"が多くなります。特にパス動作の時にボールを指先で弾いてしまうために起こりやすい、いわゆる“つき指”が最も多くみられるのが特徴です。2番目はスパイクを打つ腕や膝がぶつかるプレーヤー同志や自損の“打撲”が多くなっています。
"クラブ活動レベル"では成長期選手が多いためオスグット病(膝の成長障害 次ページ図3-③参照)が多くなる傾向があります。
ママさんバレーなどレクレーションレベルでは下肢障害特にアキレス腱断裂やふくらはぎの肉離れが増え、中高年の選手や指導者の受傷が多く重症度が高い外傷となっています。